この記事の概要
『モルフォ人体デッサン』の『ミニシリーズ』を買いました。
- 『箱と円筒で描く』
- 『骨から描く』
『モルフォ人体デッサン』は、「テンション上がりまくり&興奮をブログにぶちまけた」くらい大満足で、「そのシリーズものなら!」と気づいたら三冊が揃っていました。
そこで、三冊を見比べつつ、感想をふわっと書きたいと思います。
なお、便宜上以下のような、
箱と円筒で描く | 箱モルフォ |
---|---|
骨から描く | 骨モルフォ |
勝手なニックネームをつけて呼んでいます。
モルフォ人体デッサンミニシリーズとは?
以前購入し、大満足だった以下の記事の本、
『モルフォ人体デッサン』のミシェル・ローリセラ先生の本で、
- コンパクトで持ち運びしやすいサイズ(A5変形サイズ)
- パタンと開くことができる開きやすい製本方法
- 新規描きおろしデッサン300以上
あとはそれぞれ、
- 『人体をシェーマ(説明図)化する』
- 『骨格を理解してデッサンに生かす』
ことをテーマにしている本です。
『骨から描く』のふわっとした感想
まずは、私が先に買ったこちらから。
情報にアクセスしやすいコンパクトなサイズ
おすすめ商品に表示された『骨から描く技法に特化』という文言に、すぐさま飛びつきました!
私は「骨を意識して描いたほうが人体を描くのがラクだなあ」と感じていたので、
- 肩甲骨と鎖骨と上腕骨
- 上腕骨と橈骨と尺骨
- 大腿骨と膝蓋骨と頸骨・腓骨
- 足の骨(踵骨とか距骨とか)
の関係を様々なアングルから見れる『骨から描く』はとても相性がよかったなあと個人的に思います。
しかも、小さめでページ数も少ない(モルフォ人体デッサン本体と比べて)ので、ぱぱっと開けるのもポイントが高いです。
まあ、もっと詳しく見たい!!ってときは『モルフォ人体デッサン』本体を開くことになるんですけど。
想像上のモデルを造形するときに大きな助けをしてくれる「骨格の理解」
序文によると、「骨格を理解してデッサンに生かすというのが本書の趣旨」だそうで、「はじめに」では、すぐにデッサンに役立つ骨格上の目印を紹介してくれます。
なんで骨から描くと個人的に描きやすいんだろう?
なんでかな~って思ってたんですが、骨を意識すると筋肉の付着点など、想像で描くとき空間に再現するための指針が多いからかなと思います。
個人的によく開いている箇所
わきの下のフォルム
『箱モルフォ』より、個人的には『骨モルフォ』のほうがわきの下のフォルムが好みのデッサンが多いです。(P.40とか)
たぶん、私の場合、
- 大胸筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 烏口腕筋
- 大円筋
- 広背筋
- 肩甲骨
が複合したフォルムに魅力を感じるせいもある気がしています。
膝関節のところ
- 大腿骨
- 頸骨と腓骨
- 膝蓋骨
とかのページで膝関節をよく見ています。
P.86とか、膝の骨ばったフォルムのデッサンが複数アングル載ってて有難いです。
足のページ
個人的に、『骨モルフォ』でやっと足の形状の理解に「納得がいった感じ」を得たんですけど、「ああああ~~~~~~そうだったのか!!」と、描くときになんかが再現できないと感じていていてそれに終止符が打たれたので、とても感謝しています。
とくに、後ろから、
- 距骨とかの部分
- 踵骨とかの部分
を上下に分離したデッサン(P.92)が理解の手助けをしてくれました。
『箱と円筒で描く』のふわっとした感想
「人体をシェーマ(説明図)化する」
のが本書のテーマだそうで、
本書の意義は「モデルなしでデッサンすることにある」そうです。(序文より)
想像で人体を描くときの第一段階として、
- 単純なボリューム
- 箱形
- 円筒
- 面や楕円
を用いたニュートラルで中性的なマリオネット形のデッサンを通して、「人体を描きやすくなる」&「ポーズをイメージしやすくなる」ような本だと思いました。
「箱と円筒」というタイトルの割に、それほど箱と円筒でもなく、骨格に目を向けたフォルムも示してくれているところが、個人的にとても良かったです。
最後にふわっとしたまとめ
とりあえず、やってみた感じを画像で確認してみる
一年経ったらしいので、AfterのAfterを追加。
ついでに一年経って感じたこととか本文を加筆修正してみました。
とても開きやすい製本方法
パタンと180度開ける製本方法はとても使いやすいです。
なんといっても、ブックススタンドなしで紙の隣において模写できます。
パタンと開いて勝手に閉じたりしません。
前回の『モルフォ人体デッサン』は以下のようなブックスタンドを使っている&折り目つけまくり&付箋貼りまくり、で使いやすくしてはいますが、
ミニシリーズの製本方法は画期的だなあと思いました。
どうやら、ミニシリーズと同じ製本方法の新装版が出たようです
モルフォ人体デッサンミニシリーズと同じ「コデックス」という本を開いた状態にしておける特殊な製本方法で、『モルフォ人体デッサン』と内容が同じの新装版が出たようです。
ぐるぐる回る参考資料の輪
- 基本的には『モルフォ人体デッサン』
- 詳しく写真や影付きの立体などで「ビジュアル的」に確認したいときは『スカルプターのための美術解剖学』
- 全体的・主要な骨の構造を「ささっと確認」するには『骨から描く』
- 形態をまとめる参考に眺めたいのは『箱と円筒で描く』
もう美術解剖学の本に関しては、完璧な布陣になったなあと個人的には思います。