この記事の概要
第四弾の『脂肪としわを描く』は「私にはまだ高度すぎる気がする…」と思ったのでスルーだったのですが、 関節と聞いて購入してみました。
なので、いつものようにふわっとした感想を書いてみようと思います。
なお、便宜上以下のような、
モルフォ人体デッサン 形態学による人体を描くための新テクニック |
本体モルフォ |
---|---|
箱と円筒で描く | 箱モルフォ |
骨から描く | 骨モルフォ |
脂肪としわを描く | 脂肪モルフォ |
関節と筋肉の働き | 関節モルフォ |
勝手なニックネームをつけて呼んでいます。
『関節と筋肉の働き (モルフォ人体デッサン ミニシリーズ)』のふわっとした感想
人間の運動をまなぶことについて――人間の運動は肢體と全體との知識をえたのち、肢體と関節のあるゆる動きにまなぶ必要がある。
引用元 p.238『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 (岩波文庫 青 550-1)』
※體=体
こんな感じにレオナルド・ダ・ヴィンチが手記の中で語っているように、関節の動きとか形状って参考になるところが多いように個人的に感じます。
そういうふうに考えていたこともあって「関節」と聞いたときはすぐさま「欲しいな~」って思いました。
今回のタイトルは『関節と筋肉の働き』
英語版タイトルは『Morpho: Joint Forms and Muscular Functions: Anatomy for Artists (Morpho: Anatomy for Artists)』みたいですね。↓
↑なんでか、英語版のほうが『なか見検索!』で見れるページが多かったので、私はこっちを見て購入を決めました。
モルフォ人体デッサンのミニシリーズ第5弾は『関節と筋肉の働き(はたらき)』と題されています。
前回までのミニシリーズが『~描く』というタイトルがついていましたが、今回は『働き』。
内容も「模写するための図というより、構造や原理を理解してイメージデッサンに生かすための図」といった感じの印象を個人的に受けました。
描いている間に気になったことを、ささっと確認するのによさそうだなって私は思いました。
でもそれはそれとして模写はする
まあそういう印象を受けましたけど個人的に構造が楽しくなっちゃって、いつも通り「これ描いてみたいな~」って思ったところをさっくり模写してます。
とくに骨盤の靱帯のとことか個人的に楽しいです。
なんか整理された線になりましたね?
個人的に「なんかペン入れしたみたいに線が整理されている感じになったな~」という印象を受けました。
『本体モルフォ』の図も個人的にはすきなのですが、『関節モルフォ』の図はさらに見やすくなっていて、ローリセラ先生の向上心はすごいな~と感じました。
イメージデッサン力が強化されて個人的に描きやすさがアップ
個人的に、想像で描くとき「なんかこういう感じのイメージ」って感覚で処理されることが多いかなって感じているのですが、
- 関節の形状
- 筋肉の機能
の理解を通して可動域やどの筋肉が働くのかなどの情報を得て、想像で描くときの脳内映像とかが、より一層想像しやすくなりました。
知識さえ忘れていなければ再現性が高い、といったような感じが私としてはとても相性がいいと感じています。
どうにも感覚だと私の場合すぐ忘れがちなので。
力学的制約の知識を通してイメージデッサン力をアップし、充実させるのが本書の狙いです。
p.7 はじめに『関節と筋肉の働き』
と書いてあったとおり、『本書のルール』に従い、
- 球関節
- 蝶番関節
のふたつに関節を大まかに分けて説明してくれたのがよかったな~と思います。
関節っていろいろ種類あると思うんですけど、さっくりふたつに分けて機能を理解しやすくしてくれてありがたかったです。
骨の大きさや関節、骨の表面の凹凸(骨に付着している筋肉が繰り返し引っ張られることでできる凹凸)を観察してみると、あたかも骨の化石から復元する古生物学のように、骨のフォルムから筋肉の働きを推測することができます。
p.5 序文『関節と筋肉の働き』
2つの骨が接触する関節部の形状やバランスを見てみると、その部分でどのような動きが可能なのかがわかります。
p.7 はじめに『関節と筋肉の働き』
このへんとかは「なんとなく骨とか筋肉の付着位置とかのイメージがあると個人的に描きやすい気がする…」と感じていた理由がわかった気になりました。
『関節モルフォ』で個人的に描きやすくなったところ
頭蓋骨と脊柱
まずはじめにここ。
頭蓋骨と第一頸椎の関節。
第一頸椎と第二頸椎の形状や機能は「文章」では知っていたのですが、私はいまいち脳内映像としてイメージできていませんでした。
ところがどっこい、『関節モルフォ』の『はじめに』のp.15!
図9~図10によって、個人的にすっごく簡単にイメージすることができました。
とくに頚まわりは個人的に苦手というか苦手意識を持っていたのですが、「外見のフォルムには全く左右しない骨」の理解がイメージするのに「すごく役に立つんだな!?」っていうのを非常に実感した瞬間でした。
体幹
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 脊柱起立筋
p.48~55の体幹の章。
とくにp.54の図2が個人的に理解しやすさが凄まじかったです。
しみじみ感じる「形状と機能の理解」両方の大切さ
形状としては何度も描いていたはずなのに、機能と付着部を説明されるまではあんまりイメージができていなかったんだな?というのを個人的にすごく感じました。
『関節モルフォ』で、
- 関節の形状
- 筋肉の機能
を説明してもらって、「この筋ってここに付着してこういう機能があったのか…」と暫くの間ぼんやりしてしまうことが度々ありました。
最後に、ふわっとしたまとめ
私は『モルフォ人体デッサンシリーズ』のことを『ポール・リッシェ先生の赤い本の副読本』だと思っていますね???
うん、たぶんそう。そういえば、そう。
ついつい「これポール・リッシェ先生の赤い本でみた!」みたいにテンション上がって該当ページを開いて『モルフォ人体デッサンシリーズ』の図と比べてみてしまいます。
そうすると、ミシェル・ローリセラ先生の図が、的確に概要を押さえているうえに理解のしやすさが大幅アップしているということを物凄く感じます。
「ローリセラ先生、本当にわかりやすい図を様々なアングルから描いてくださり誠にありがとうございます!!!!!」と崇めるような気持ちになります。
個人的には、ローリセラ先生に比較解剖学とかの話もしてほしい
『関節モルフォ』のp.20で、
ほかの哺乳類との比較も非常に参考になりますが、本書の趣旨からはそれるので割愛します。
とあったのが個人的にはめちゃくちゃ気になるし、できればぜひローリセラ先生の図で見たいので、趣旨からそれるため割愛された話などを「モルフォ人体デッサンエクステンデッド」とかでやってくれないかな~って個人的には思ってます。
願いが叶いました!
私にしては速攻で購入したので、後日いつものように感想記事を公開したいと思います。
個人的に、なんだか最近絵を描くためというより知識欲になってきている気がする
なんだか最近自分にそういう感じが強いと感じ始めています。
個人的に、解剖学とか機能の理解って楽しいな~って感じます。
ちなみに、欲しい解剖学の本があるんですが(美術解剖学の本ではない)、値段が万に乗ってしまうので、いまだに「欲しいな~」とぼんやり時折眺めに行ってます。